おすすめなCADに適したノートパソコンを比較しました

CADを使うためのノートパソコン選びで悩んでいませんか?

CADが使えるノートパソコンはスペック選びが重要。ここで選択を間違えてしまうと、仕事の効率が下がってしまうだけでなく、最悪の場合全く仕事ができないことも。

今回はCADの動作に必要なスペック選びの解説をすると共に、現在発売中の最新ノートパソコンを紹介していきます。

ご自身にとってベストな1台を見つけてくださいね。

CADノートパソコンのスペックの選び方

CADを動かす上で必要なスペックをここでは解説していきます。

主に以下のパーツが重要なので順に説明していきますね。

重要なスペック

  • CPU
  • メモリ
  • グラフィックボード

CPU

CPUはパソコンで言う頭脳の部分。ここにお金をかけることでフリーズやカクつきの可能性を下げて、無駄な時間を消費することはなくなります。

CADソフトを起動する上で、グラフィックボードはCADと同じAPI(開発言語)であるNVIDIA(旧:Quadro)シリーズ製品を選ぶとパフォーマンスを発揮。

ノートパソコンのグラフィックボードの最低限のスペックとしてNVIDIA T500に選定しています。このグラフィックボードを搭載するCPUは必然的にCore i5 以上のものが搭載。現在ですと第14・13世代のCPUが搭載され、コア数が6コア以上のものを今回CPUの最低スペックとします。

はじめににグラフィックボードを選ぶと必然的にそれに応じたCPUのスペックは付いてきますが、カスタマイズ性能の高いメーカーによっては複数のCPUから選ぶことができるため迷う人も多いかと思います。

そんな時はCPUのコア数に着目してください。最低限のスペックを6コアとし、これを下回らないようにするとOK。更にスペックを求める方は8コア以上、スレッド数が12以上を選ぶようにして下さい。

スレッド数が多ければ多いほど実際の処理がCPU12コアの性能と同レベルの性能を出すことができるので、処理は早くなり、つまり性能の良いCPUとなります。

メモリ

メモリは、16GBを最低限スペックとして定義します。

なぜなら、世界でシェアNo1を占めている「AutoCAD」という2,3次元CADで16GBが推奨スペックだからです。

世界基準の推奨スペックと合わせると共に、3DCADを併用して使う方ですとなおさら下回れない数字なので覚えておいて下さい。

以下にAutoCAD 2024の動作環境を記載します。

AutoCAD 2024 (業種別ツールセットを含む)の動作環境(Windows)

AUTODESK 「AutoCAD 2024 including Specialized Toolsets の動作環境」より引用

AutoCAD 2024 including Specialized Toolsetsの動作環境
オペレーティング システム 64 ビット版 Microsoft® Windows® 11 および Windows 10
プロセッサ 基本: 2.5 ~ 2.9 GHz のプロセッサ(ベース)、ARM プロセッサはサポートされていません。
推奨: 3 GHz 以上のプロセッサ(ベース)、4 GHz 以上(ターボ)
メモリ 基本: 8 GB
推奨: 32 GB
表示解像度 従来のディスプレイ:
1920 x 1080、True Color 対応
高解像度および 4K ディスプレイ:
最大 3840 x 2160 の解像度(「推奨」ディスプレイ カードが必要)
ディスプレイ カード 基本: 2 GB の GPU、帯域幅 29 GB/秒、DirectX 11 互換
推奨: 8 GB の GPU、帯域幅 106 GB/秒、DirectX 12 互換
ディスク空き容量 10.0 GB
ポインティング デバイス  マイクロソフト社製マウスまたは互換製品
.NET Framework  .NET Framework バージョン 4.8

メモリ不足になるとパソコンの動きが停止するだけでなく、最悪の場合は強制終了を起こしてしまいます。

そのような事態を起こさないためにも余裕をもったメモリの確保が必要です。

32GBという数字はあくまで最低限スペック。

3DCADを使用する方は、グラフィックの処理はグラフィックボードのメモリに任せることができるので本体メモリの負担は減ります。

しかし、CADを起動しながら解析ソフトやブラウザ、計算ソフトなど複数のソフトを同時起動させるシチュエーションはすくなくありません。というか毎回でしょう。

このような時に起こるのがメモリ不足によるパソコンの動作低下です。スペックが足りないと、作業時間を減らし、工程通りにいかなくなってしまいます。

最低スペックは16GB、余裕のあるスペック構成にしたい方や同時起動ソフトの負荷を見越して32GB以上を選ぶようにしてください。

グラフィックボード

映像処理を担当するグラフィックボードは、スペック選びの中で最も重要なパーツの一つです。しかし多くの人は悩むことと思います。

なぜなら、このパーツの種類が多く、扱うCADソフトによって求められる能力が違えば、作業内容によっても大きく異なるからです。

単にソフトで求められるスペックで選んでしまうと、スペック不足となってしまうので注意が必要です。

CADに適したグラフィックボードはNVIDIA RTXシリーズ。先程も触れましたが、CADなどのクリエイティブ作業のために作られてたグラフィックボードなのでこちらを選びます。

NVIDIAシリーズには以下の種類があります。

NVIDIA RTX A5000Ada CUDAコア数:9,728、GPUメモリ容量16GB
NVIDIA RTX A4000Ada CUDAコア数:7,424 、GPUメモリ容量12GB
NVIDIA RTX A3500Ada CUDAコア数:5,120 、GPUメモリ容量12GB
NVIDIA RTX A3000Ada CUDAコア数:4,608 、GPUメモリ容量8GB
NVIDIA RTX A2000Ada CUDAコア数:3,702 、GPUメモリ容量8GB
NVIDIA RTX A1000 CUDAコア数:2,560 、GPUメモリ容量8GB
vNVIDIA RTX A500 CUDAコア数:2,048 、GPUメモリ容量4GB

以上のようにTシリーズの上位互換がRTX。数字部分が大きいほど高性能なモデルとなっている。

全員が全員NVIDIA RTX A5000Adaが求めめられる作業をするわけではないと思うので、ここで線引きをします。

基本的に3DCADのモデリングをする際、材質や光源の再現をしたいならNVIDIA RTX A3000Ada以上が欲しいです。RTX A4000Adaを超えてくると、大規模な建築3Dモデリングといった負荷のかかる処理(4K、8K画像処理も)のBIMを行う場合で求められます。

機械のモデリングだけの性能で十分なのであればNVIDIA RTX A1000で問題ないです。そこそこ大きいワールドで作業を行う場合は、RTX A4000Ada以上を選べば事足ります。

まとめますと、以下のようになります。

  • 機械系モデリング:NVIDIA T1200以上
  • 建築系モデリング:NVIDIA RTX A4000以上
  • 機械系モデリングに加えBIM解析を行う:NVIDIA RTX A5000以上

おすすめCADノートパソコン

今回紹介するのは、グラフィックボードにNVIDIAシリーズを搭載しているノートパソコンを販売している以下のメーカー。

  • レノボ
  • HP
  • DELL

これらのメーカーで販売されている最新PCを焦点にあて、「価格の安いノートパソコン」「グラフィックボード」別に比較しました。

以下で順に解説していきます。

価格の安いCADノートパソコン

ここからは、おすすめなCADノートパソコンを紹介していきます。

ここでは、価格が安いのでこれからCADを始める方や費用を抑えたい方にぴったりな一台を紹介していきます。

パソコン写真の右隣の項目は上から、

  • 画面サイズ
  • CPU
  • メモリ
  • グラフィックボード

となります。(価格は執筆時点でのものになります。)

レノボ ThinkPad P16s Gen2
16型 185,636円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i5-1340P
16GB
NVIDIA A500
レノボ ThinkPad P14s Gen4

14.0型 184,360円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i5-1340P
 16GB
NVIDIA RTX A500
HP ZBook Firefly 14 G10

14型 234,300円(税込)~

公式HPはこちら

Core i7-1335U
16GB
NVIDIA RTX A500
DELL Precision 3580

14.0型 208,280円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i5-1340P
 8GB
NVIDIA A500
  • レノボ ThinkPad P16s Gen2
  • レノボ ThinkPad P14s Gen4
  • HP ZBook Firefly 14 G10
  • DELL Precision 3580

価格が安くお求めやすいのは以上の4点です。

中でもレノボは税込み金額でも最も安く、送料が無料なのでお買い得です。ただし、納期が1~2週間ほどかかってしまうため、すぐ手元に欲しい方にはおすすめできません。

そんな方はアークのPCをご検討下さい。こちらは上記のスペックよりもカスタマイズしない限り即納となります。

ちなみに、「レノボ ThinkPad P14s」及び「HP ZBook Firefly 14 G10」は、画面サイズが14.0型なのでコンパクト。重さもその分抑えられているため、持ち運び重視される方にちょうどいいサイズとなっています。

HPは海外からの発送となり、こちらも納期が遅めとなるため、注意して下さい。

グラフィックボード別CADノートパソコン

NVIDIA RTX A1000

レノボ ThinkPad P1 Genn6

16型 351,351円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i7-13700H
16GB
NVIDIA RTX A1000

NVIDIA RTX A2000Ada

レノボ ThinkPad P1 Gen6

16型 374,913円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i7-13700H
16GB
NVIDIA RTX A2000Ada
レノボ ThinkPad P16 Gen2

16型 501,930円(税込)〜

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Core i9-13980HX
16GB
NVIDIA RTX A2000Ada
HP ZBook Fury 15.6inch G10

15.6型 595,100円(税込)〜

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Core i7-13800H
32GB
NVIDIA RTX 2000Ada

NVIDIA RTX 3500Ada

レノボ ThinkPad P16 Gen2

16型 539,154円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i7-13700HK
16GB
NVIDIA RTX 3500Ada
DELL New Precision 5680

17型 498,280円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i7-13800H
16GB
NVIDIA RTX 3500Ada

NVIDIA RTX 4000Ada

レノボ ThinkPad P1 Gen6

16型 853,514円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i9-13900H
64GB
NVIDIA RTX 4000Ada
HP ZBook Fury 16inch G10

16型 1,183,600円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i9-13950HX
64GB
NVIDIA RTX 4000Ada
DELL Precision 7680

16型 821,280円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i9-13950HX
64GB
NVIDIA RTX 4000Ada

NVIDIA RTX A5500

HP ZBook Fury 16inch G10

16型 1,730,300円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i9-13950HX
128GB
NVIDIA RTX 5000Ada
DELL Precision 7680

16型 1,453,970円(税込)〜

公式HPはこちら

Core i9-13950H
128GB
NVIDIA RTX 5000Ada

まとめ

CADノートパソコンについて今回解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

CADに適したグラフィックボードであるQuadro。こちらを搭載したノートパソコンを取り扱っているメーカーは少なく、今回はその中で最新のPCを紹介してきました。

パソコンはスペック選びが重要です。扱うCADと併用ソフトといった作業環境に合わせてベストな選択をしてくださいね。

イチオシ!3DCADパソコンのおすすすめとソフト別の選び方

2019年2月21日